東京都の太陽光発電設置義務化にアンチの声多数?!
- 2022.07.15
- コラム
条例改正の前に
東京都が太陽光発電の設置義務化について、パブリックコメントを募集しました。
都は5月24日に開催した「第52回東京都環境審議会」で、住宅を含む中小建築物への太陽光発電設備の設置などを義務付ける新たな制度を創設する方針を決定しました。そして「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」の改正について、6月24日までにパブリックコメントを受け付けました。今後パブコメを取りまとめ、再度議論した上で条例改正の手続きに入るようです。
新たな制度はどんなもの?
この新制度で対象となるのは、注文住宅や分譲・建売住宅を供給するハウスメーカーなどで、年間の都内供給延床面積の合計が2万㎡以上の企業に定めています。個人の方が義務化されるわけではなく、一定層のお大規模な住宅会社に太陽光発電の設置義務が求められることになります。
アンチの声が大量発生?!
一方で、この議論が始まった頃から、皆さんもご存じのようにTwitterやInstagram、Youtubeなど、多くのネットメディアで太陽光発電アンチから批判が続出しています。ただ、その内容は太陽光発電設置についての粗探しのようなものが大半を占めており、ほとんどに根拠がありません。東京都知事に対する攻撃や、最終的には「地球温暖化など起こらない」という輩まで出現しています。
(この辺りは、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の前真之准教授が様々なメディアで対アンチ意見を展開されておられるので、ぜひ見ていただければと思います。)
CO2削減目標達成のためには
では、実際にCO2削減の課題は、どのようにクリアする考えなのでしょうか。 何より、2030年の家庭部門のCO2削減目標を国は2013年比で66%減を掲げています。これらの目標を太陽光発電の活用なしで達成させる策などあるのでしょうか?
実際には休止中の原子力発電の再稼働しか方策はないという意見もあります。そうだとしても、2022年、地球環境問題がこれだけ世界で取り沙汰され、世界的な燃料費高騰で電気代は高騰しており、全てが原子力発電で解決できるとは言い切れないのではないでしょうか。
エネルギーミックスの観点は重要ですが、私たち一人一人が住宅で消費する電気を少しずつでも再エネ化することは、エネルギーへの意識を変える意味でも良い機会なのではないでしょうか。
こういった観点から、今回の条例改正は今後の日本の太陽光発電との向き合い方を決める大きな分岐点になると思います。