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2段階価格FITが始動!2025年下半期から適用されます

2025.04.11
コラム

2段階価格FITが始動!2025年下半期から適用されます

【この記事の概要】

  • 2026年度からFIT単価のスキームが大きく変わり、当初4年が「24円/kWh」・5年目以降は「8.3円/kWh」
  • 新スキームでは、10年で計算すると単価は下がる
  • 2026年度のFIT単価は、2025年度下半期(25年10月1日〜27年3月末)にも適用される
  • 電力会社ごとに2025年度価格(15円)での申請期限が発表される

コラム「2段階価格FITが始動!2025年下半期から適用されます」のイメージ

電気代の高騰が続く中、『太陽光発電の自家消費でお得になる』時代になったのは周知のことですが、従来からある余った電気を買い取ってもらう “FIT制度” の内容、特に金額については、これから「導入しよう」という方にとって無視できません。毎回、本コラムにてご説明していますが、25年度下期以降、10年という期間自体は変わらないものの、内容に大きな改訂があることをご紹介したいと思います。

2025年度以降のFIT単価

今年も、太陽光発電の売電価格を審議する(第102回)調達価格等算定委員会が、2025年1月30日に経済産業省資源エネルギー庁のもとで開催されました。2025年度以降の固定価格買取制度(FIT)における買取価格がこの会で審議されています。電力価格や太陽光発電はじめ新エネルギーに詳しい学者さん、省庁の方々が集まり、システムの価格や導入状況、発電収入など様々な議論がなされます。太陽光発電システムだけでなく、風力やバイオマス発電、中小水力、地熱発電もこの委員会で売電価格の適正について議論されました。我が家に太陽光発電システムをつけて、売電するとなると、今後の買取価格はこの委員会で決まった価格が年度単位で決定します。10kW未満の太陽光発電の場合、10年間はここで決まった価格で電力を電力会社に販売することになります。

2025年度上期(今年4月1日〜来年9月末)に認定を取得した場合、これまで同様に、10年間は同じ価格、15円/kWhで売電することが可能です。ですが、2025年度下期〜2026年度(25年10月1日〜27年3月末)の認定取得の場合には大きな変更となりそうです。

2026年度以降の価格表(調達価格1kWhあたり)

太陽光発電 10kW未満 FIT単価
2023年度(参考) 16円/kWh
2024年度(参考) 16円/kWh
2025年度(参考) 15円/kWh
2026年度 (〜4年)24円/kWh
(5〜10年)8.3円/kWh

※:2026年度のFIT調達価格・調達期間については、2025年度下半期にも適用。

引用:資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2025年度以降)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html

検証!
“初期投資支援期間”は、お得なのか?

上記の委員長案を見るとわかるように、住宅屋根の太陽光についてはさらなる導入が期待されるということで、2026年度から投資回収の早期化を図る「初期投資支援スキーム」が導入されています。これまでのFIT調達価格は導入(売電開始から)10年間一律で金額を変えず売電価格で設定してきました。(例えば2024年度は16円で10年間一率)

しかし、今回発表の案では、導入当初の4年間を“初期投資支援期間”として、調達価格を24円/kWhと高額に設定し運用開始することが発表されています。そして、当然5年目から最終年となる10年目までの6年間は、通常よりも低い8.3円/kWhが適応されるとのことです。
一見、初期投資期間でお得なようにも見えますが、10年間通して見ると、

(24円/kWh×4年)+(8.3円/kWh×6年)
14.58円/kWh

となるため、実際には2025年度と比べるとトータルでは0.42円/kWh下がっていることが判ります。

2025年度下半期から適用される

注目するべきは、2025年度下半期にもこの初期投資支援期間を考慮した金額の買取制度が適応されるということです。
第100回調達価格等算定委員会(2024年12月17日) の資料によると、「住宅用太陽光発電システムの初期投資の支援を行う期間・価格について、自家消費の促進や国民負担の抑制を前提に、投資回収の早期化の効果の最大化を図る」とあります。財務基盤や与信が小さい住宅や建物の所有者を考慮し、早期に投資が回収できる措置として設けられたようです。結果、導入を促進するために、2025年度下期から太陽光発電の売電、いわゆるFIT調達価格は、段階的なものへと変わることが明らかになりました。

引用:2025年1月 経産省資料「初期投資支援スキームについて」より

2025年度価格(15円)での申請期限は?

さてここからは、実際に太陽光発電を設置する際に、外してはいけないポイントについての説明です。
それは、各種手続きや申請には、年度ごとに期限があるということ。
太陽光発電を設置するまでの工程は、おおきく分けると以下になりますが
①施工会社と契約
②電力会社へ接続契約の申込(売電のため)
③経済産業省へ認定申請

経済産業省の所定機関による最終的な認定のタイミングは、下記のとおり定められています。

太陽光(10kWh未満)の新規・変更申請期限

2025年9月30日までに
認定を受ける場合
2025年10月1日以降に
認定を受ける場合
申請期限 2025年6月30日(月) 2026年1月6日(火)
適用される調達価格 15円/kWh(10年) 24円/kWh(~4年)
8.3円/kWh(5~10年)

出典: 資源エネルギー庁 2025年度中の再エネ特措法に基づく認定の申請にかかる期限日について(お知らせ)

発表のあった電力会社の締め切り日

上記のように、経済産業省の認定について期限があるため、その前の電力会社への接続の申込みについても、2025年度価格(15円)での申請期限が発表されています。こちらにもご注意ください。

2025年9月30日までに
認定を受ける場合
2025年10月1日以降に
認定を受ける場合
情報掲載先
北海道電力 2025年4月25日(金) 2025年10月24日(金) 公式発表ページ
東北電力 2025年4月25日(金) 2025年10月3日(金) 公式発表ページ
東京電力 2025年5月16日(金) 2025年11月7日(金) 公式発表ページ
中部電力 2025年5月16日(金) 2025年10月31日(金) 公式発表ページ
北陸電力 2025年5月16日(金) 2025年10月31日(金) 公式発表ページ
関西電力 2025年5月21日(水) 2025年11月25日(火) 公式発表ページ
中国電力 2025年5月16日(金) 2025年11月4日(火) 公式発表ページ
四国電力 2025年5月16日(金) 2025年10月31日(金) 公式発表ページ
九州電力 2025年5月16日(金) 2025年11月7日(金) 公式発表ページ

情報更新日:2025年4月23日

導入のタイミングや申請手続きの流れを把握して、後悔のない太陽光発電導入を!

太陽光発電を取り巻く制度や買取価格は、毎年のように見直されており、導入のタイミングや申請手続きの流れを把握しておくことがますます重要になっています。設置を検討されている方は、最新の情報を踏まえたうえで、後悔のない判断をしていただければと思います。

電気代の高騰が続く中、「今、設置するべきか?」「自宅の屋根に設置したら、どのくらい家計が助かるのか?」「蓄電池はあったほうがいいのか?」他、太陽光発電に関してご不明なことがあれば、いつでもお問い合わせください。

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