【V2H 2024・前編】V2H補助金に見る、2023年度と2024年度のちがい
- 2024.06.25
- コラム
【この記事の概要】
- 2024年度の補助制度を見ると「公共施設の耐災害性向上」、「個人宅でのより広範囲な導入」を政府は重視している方針が伺え、更なるV2H設置の普及が見込まれます。
- 予算額は2区分合計で10億円増額となる60億円を投入。内訳は個人宅等に45億円、公共施設等に15億円となっており、予算額及び補助増減額の差額を設けています。
V2Hの国の補助金制度、金額や開始時期が公表に
住宅と車をつないで双方に電力を送ることができるV2H。
太陽光発電システムとの相性も良く、EVとともに導入すれば住環境から移動に関わる電力まで広く賄うことができるスグレモノです。電力会社から買う電気を大きく節約でき、災害の時は電力としても利用可能できますので、生活の質・安心とも格段に向上します。
そんなV2Hの国の補助金制度が5月の下旬、『クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた電力・充てんインフラ等導入促進補助金』の「V2H充放電設備・外部給電器における補助要件及び補助金額」として、金額や開始時期が公表されました。今回はその詳しい概要をご説明いたします。
※ 本記事は2024年6月の情報を元に作成しております。
Point.1 公共施設と個人宅を明確に区分
まず今年度から個人宅、公共施設・災害拠点と区分を2つに分けられています。個人宅の申請とは別に、公共施設・防災施設・医療機関等の申請区分を新設し、補助率・補助上限額も、費用規模の大きい公共施設により多く取られています。
Point. 2 個人宅の補助率が今年度は1/3に
昨年度は同補助制度について個人宅向けに補助率1/2、上限75万円を補助していましたが、今年度の補助制度では、個人宅への機器に対する補助金は購入金額の1/3、上限は30万円となっています。
昨年度は、申請受付開始から約2か月で50億円の予算を消化、早期に受付を終了するほどの人気ぶりでした。この利用者は9割が個人宅で占められていると分析されており、設置ニーズがあるにもかかわらず、申請できなかった人も多数存在すると言われています。今年度、個人宅の補助率は減額されたように見えますが、補助金の総額自体は増えており、より多くの申請ニーズに応えることができる可能性が高いです。
なお、主な要件として個人宅の場合、EV等を保有または発注済みであることが条件となっています。
区分 | 補助率 | 補助上限額 |
公共施設/災害拠点 | 機器:1/2 工事:1/1 |
機器:75万円 工事:95万円 |
個人宅/その他施設 | 機器:1/3 工事:1/1 |
機器:30万円 工事:15万円 |
Point.3 申込期間が2期に分けられた
今年度は、申請受付期間を第1期6月中旬~7月中旬、第2期同8月下旬~9月末と2期に分けています。第1期、第2期ともに申請日順に審査が行われるということです。
補助金を使ってV2Hを設置したい場合は、この時期を外さないよう計画的に進めることが大事です。
【参考】
V2H充放電設備/外部給電器」の導入補助金の概要(令和5年度補正・令和6年度当初)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/V2H_gaiyou.pdf
経済産業省:令和5年度補正予算・令和6年度当初予算
「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた電力・充てんインフラ等導入促進補助金」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/r5hosei_infrastructure.html