『初期投資支援スキーム』が継続中
太陽光発電は自家消費利用が当たり前に
- 2026.05.18
- コラム

なぜ国が「売電価格」を決めるのか?
エネルギー自給率向上への挑戦
最近では、友人や親族から「電気代が安くなったよ」と聞いたり、気づけば近所の家の屋根に太陽光パネルが設置されていたりと、太陽光発電がかなり身近な存在になってきました。
「うちでも付けてみたい」と思う一方で、多くの方が気になるのが、「太陽光で発電した電気は、結局いくらで売れるのか?」という点ではないでしょうか。
この「売電価格」(正式には買取価格)は、実は国が毎年決めています。具体的には、「再エネ特措法(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法)」に基づき、経済産業省が年度ごとに設定しています。では、なぜ国が価格を決めているのでしょうか。
日本は、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っています。そのため、世界情勢の影響を受けやすく、電気代やガス代が大きく変動するリスクを抱えています。こうした背景から国は、化石燃料への依存を減らし、安定したエネルギー供給を実現するため、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を進めています。
そして売電価格を決める際には、「太陽光設備の導入費用」、「維持管理に必要なコスト」、「適正な利益が確保できるか」などを踏まえながら、毎年見直しが行われています。さらに、専門家で構成される「調達価格等算定委員会」の意見も参考にしながら、「導入した人が無理なく運用できるか?」、「再エネ普及と国民負担のバランスをどう取るか?」といった観点で制度設計がされています。
なお、2026年度以降の制度については、同委員会による「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」を踏まえ、新たに「初期投資支援スキーム」が導入される方向となっています。
2026年度からの大改革
4年目で価格激減?「初期投資支援スキーム」の正体

住宅屋根設置(10kW未満)太陽光支援『初期投資支援スキーム』のイメージ
経産省資料より抜粋
再生可能エネルギーの FIT・FIP制度 屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム
これは、住宅用太陽光発電(10kW未満)に対し、導入初期の数年間は比較的高い価格で買い取り、その後は買取価格を下げるという二段階方式の制度です。
これまでの制度では、一定期間、高めの売電価格が維持されていました。しかし新制度では、導入から4年を過ぎると、売電価格がおよそ3分の1程度まで下がる仕組みとなっています。
これは、「売電収入だけで利益を得る」という考え方から、「昼間に発電した電気を自宅で使い、電気代そのものを減らしていく」という「自家消費型」への移行を後押しする狙いがあるためです。
そのため、これから住宅リフォームで太陽光発電を検討する場合は、
・今後も太陽光にメリットはあるのか?
・蓄電池を組み合わせた方がいいのか?
・売電より自家消費を重視すべきなのか?
といった視点が、これまで以上に重要になってきます。
これからのリフォーム戦略
太陽光×蓄電池で「将来の電気代上昇」に備える
特に近年は、中東情勢などの影響によるエネルギー価格の高騰もあり、電気料金は上昇傾向が続いています。そのため、太陽光発電は「売って得する設備」から、“自宅の電気代を抑えるための設備”へと、考え方が変わりつつあります。
これから太陽光発電や蓄電池の導入を検討される方は、単純な売電価格だけでなく、「どれだけ光熱費を削減できるか」、「災害時の備えとして活用できるか」、「将来の電気代上昇リスクに備えられるか」といった点まで含めて考えることが大切です。


